東北公済病院(とうほくこうさいびょういん) 消化器一般外科 宮城県仙台市の総合病院

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消化器一般外科
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診療方針

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診療方針   先ずはじめに手術の対象となる病気の状況とその患者さんの全身状態を正確に把握し、手術が必要かどうか、手術が可能かどうかを判断することが外科の大事な任務です。手術が必要であり、可能であると判断した場合には、病状に応じた過不足のない手術を施行します。病気の根治性と臓器機能温存のバランスを考慮して最適な手術術式を決めることが大切であると考えております。そして計画通りの正確かつ安全な手術を実施します。疾患により胸腔鏡、腹腔鏡下手術も積極的に採用しています。そして合併症のない治療を目指します。術後合併症が起こった場合には早期診断、早期治療に努め、大事に至らないうちに対処することが重要です。
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主な診療内容

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主な診療内容 当院の消化器・一般外科の手術対象は多岐にわたっております。
それはすなわち、対象臓器が多岐にわたることを意味します。
以下にその代表的な臓器と対象疾患をご説明いたします。
関連のある項目を選んで目を通していただければ幸いです。


頸部における治療対象臓器は主として内分泌臓器です。
これらの手術では原則として再建は行われません。臓器損失による内分泌機能障害 (ホルモン低下)は内服薬による体外からの補充で賄うことが可能です。なお、当科では森洋子クリニック様と連携し、オープンシステムを稼働しての甲状腺・副甲状腺疾患の治療も行っております。

甲状腺
喉仏のやや尾側に、羽を広げた蝶々のような形で気管に覆い被さる臓器で、 成長に必要な甲状腺ホルモンを産生する内分泌腺です。
甲状腺疾患は、機能異常と腫瘍に大きく分けられます。
手術的治療の対象となるのは、主として以下のものです。

 悪性腫瘍:甲状腺癌、悪性リンパ腫
 良性疾患
  良性甲状腺腫
   (特に巨大となって周囲組織への圧排や美容上の問題などが生じているもの)
  甲状腺機能亢進症
   (薬剤が効かない、あるいは諸事情で薬剤を服用できないケース)

甲状腺の手術では、そのすぐ近傍を胸部から頸部に向かって上行する反回神経という細い神経が問題となります。
これは声帯の動きを司る神経で、損傷されると声がかすれてしまいます。
そうした合併症もあるため、問題のない良性疾患は手術の適応から外す場合もあります。


副甲状腺
甲状腺のすぐ脇に左右2個くらいずつある小さな内分泌腺で、上皮小体とも呼ばれます。
体内のカルシウム(Ca)とリン(P)の代謝を調節する副甲状腺ホルモンを産生します。
副甲状腺疾患も、機能異常と腫瘍がありますが、手術の対象となるのは主として、副甲状腺ホルモンが過剰に分泌され、体内のCaが異常高値を呈する場合です。

 良性疾患
  良性腫瘍
   (副甲状腺にできた腫瘍が過剰な副甲状腺ホルモンを分泌している場合)
  過形成
   (正常範囲をこえて大きくなった副甲状腺が過剰な副甲状腺ホルモンを分泌している場合)

副甲状腺は甲状腺に近接する内分泌腺で、甲状腺に対する手術によって副甲状腺も同時に摘出される可能性があります。
甲状腺手術の摘出臓器中に副甲状腺が確認できた場合、当科ではこれを頸部の別の部位(筋肉組織内)に移植し、副甲状腺機能の低下を予防しています。

食道
食道疾患で手術の対象となるのは、大半が悪性疾患(食道がん)です。
食道は頸部から腹部へとつながる筒状の臓器ですが、胸部では狭い縦隔の中で、心臓・大血管や気管など生命に直結する重要臓器・器官に密着した状態で存在しています。
そして食道に所属するリンパ節は食道周囲にとどまらず、気管や各種の重要な神経の周囲にも分布しています。
食道がんに対する手術では、これら重要な臓器や神経を損傷せぬよう細心の注意を払った慎重な操作を行い、縦隔の上から下までの広い範囲で食道と所属リンパ節を切除することが要求されます。
切除すべきリンパ節はこの縦隔の他、さらに頸部と腹部にもあります。
また、食道切除後には再建が必須ですが、再建臓器として用いるのは多くの場合、腹部の臓器である胃で、胃が使用できない場合は同じく大腸を用います。
このように食道がんに対する手術では、頸部・胸部・腹部の3領域にわたる広範な手術操作が必要になるため、患者さんの体には大きな負担がかかります。
近年ではこの負担をできるだけ軽減するための試みとして、より小さな傷ですむ胸腔鏡下食道切除が保険収載され・当院でも開始しております。
ただし、傷が小さくても、体内で行われる操作は旧来と同等であり、本質において真に負担の少ない治療法といえるわけではありません。
このため、こうした大手術に耐えられない可能性があると医学的に判断される場合、手術以外の方法、すなわち放射線照射と抗がん剤を併用する治療をお勧めする場合もあります。その際は東北大学放射線治療科などに紹介申し上げております。
もちろんこの照射化学療法にも一定の効果があることは証明されており、現在は食道癌治療の選択肢が増えた喜ばしい状況にあるということができます。
しかし、我が国において食道癌に対する治療効果を最も期待できるのは、今もって外科的切除と言えます。
それは他国に比して日本の食道癌の手術成績が抜きん出て優れているからです。
これは古くから系統的なリンパ節郭清の意義に着目し、その手技の定着に邁進した日本の食道外科の功績といえます。
従って患者さんの全身状態が手術に耐え得ると判断できる場合には、これを選択するのがベストであるとお勧めいたします。
当科では長年にわたる食道がん手術の積み重ねにより、手術合併症の発生率を低く保つことに成功しており、術後再発に対しても積極的な治療を行って長期成績を改善しています。
また近年の臨床研究から、一定程度以上に進行した食道がんでは、術前に抗がん剤の投与を行うことで長期成績が改善する可能性が示されていますが、当院では以前から同様の治療を行っており、その効果を確認しています。
今後も最新の知見を治療に取り入れてまいります。
食道癌の診断やその疑いの指摘を受けた方は、ぜひご相談いただければ幸いです。


肺は胸部臓器の中でも、胸腔という広いスペースを占有する左右一対の臓器です。
右の肺は上葉・中葉・下葉の三つに、左の肺は上葉と下葉の二つに、大きく区分できます。
肺疾患は多岐にわたりますが、当科で外科手術の対象としているのは、悪性腫瘍と良性の気腫性病変(ブラ)です。

悪性腫瘍(肺がん)
肺がんには、原発性肺がんと転移性肺がんがありますが、当科が主として扱うのは転移性肺がん(他臓器のがんの肺への転移)です。
具体的には、消化器がんなどの術後に発生した肺転移、ということになります。
元々のがん病巣(消化器がん)がきちんと切除されその場所に再発がないこと。
肺の他には転移が認められないこと。
肺転移病巣が多発していないこと。
こうしたいくつかの条件に合致する場合、転移性肺がん切除の適応と考えられます。
原病巣別では、転移性肺がんの手術が適用されるのは大腸癌が最も多く、次いで胃癌、食道癌などが見られます。
当科では消化器癌の術後経過観察を長期にわたり定期的に行っている関係で、こうした転移再発が生じても早期に発見できるというメリットがあります。
複数回の肺切除を行い、長期にわたり生存できている方もいらっしゃいます。
手術は、肺の大きな区分ごと切除する場合もありますし、病巣をその周辺の肺組織ごと部分的に切除する方法もあります。
当科では部分的な肺切除を胸腔鏡を用いた傷の小さな手法で行っています。
肺転移の全てが手術の対象となるわけではありませんが、状況によっては手術が有力な治療法になり得るため、当科ではその可能性を追求し続けています。

良性疾患
良性の気腫性病変(ブラ)とは、肺の表面に風船状のふくらみが生じたものです。
このふくらみの薄い膜が破れて肺内の空気が胸腔に漏れだし、肺を圧排して縮めてしまう病態が自然気胸と呼ばれるものです。
胸痛や呼吸困難感が症状です。
罹患されるのは、若年で背の高い痩せた体型の方が多いという特徴があります。
治療はまず入院していただいた上で、胸腔にドレーンという管を挿入し、溜まった空気を除去して縮まった肺をもとの状態に膨らませます。
この時点で空気の漏れだしが止まり、管を抜いて退院となる場合もありますが、ブラがそのままでは気胸が再発することも多く見られます。
根本的な治療としては、ブラの切除を行う必要があります。
これは原則として胸腔鏡を用いた短時間で傷の小さな手術です。
若年の方で自然気胸を繰り返す場合には、早めにこの手術を受けられるようお勧めします。
一方、ご高齢の方に見られる気胸はそうした単純なブラではなく、長年にわたる喫煙等の影響で生じた著しい肺気腫が原因となっている場合が多く見られます。
この場合は、単純な切除では治療効果を得難く、手術以外の方法で対処せざるを得ないことも少なくありません。


横隔膜を通過した食道は、その直下で胃につながります。
中で食物の消化がなされる袋状の臓器が、胃です。
便宜上、胃は上部(噴門部)・中部(体部)・下部(幽門洞)の三つの部位に分けて考えます。
現在、胃の疾患で手術の対象となるのは、ほとんどが腫瘍性病変です。
胃炎や胃潰瘍については通常、有効な薬剤投与による治療が第一選択であり、手術の適応となるのは潰瘍の穿孔(胃壁に穴が開くこと)や出血、あるいは潰瘍瘢痕による通過障害、といった特殊なケースに限られます。

胃がん
胃の疾患で手術対象となる代表的な腫瘍が胃がんです。
がんの発生した部位を含む十分な範囲を、所属リンパ節とともに切除する、というがん手術の原則に則り、胃の下2/3〜3/4を切除する幽門側胃切除か、あるいは胃を全て切除する胃全摘が選択されます。
がんの状況によっては、胃のみならず胃の背中側の後腹膜に存在する膵臓や、膵臓の左端にあって胃とも間膜でつながっている脾臓を切除する場合もあります。
胃の手術では消化管の再建が必須です。
幽門側胃切除では残胃を十二指腸または小腸と、胃全摘では食道下部と小腸を、それぞれつなぐ(吻合する)ことで再建します。
近年では胃がんに対する腹腔鏡補助下の手術も増えており、当科でも10年以上前から進行胃癌を除いて幽門側胃切除に腹腔鏡手術を導入し、開腹術と同等以上の結果を得ています。
腹腔鏡手術はがん以外の胃の手術、例えば胃潰瘍や十二指腸潰瘍の穿孔などでも行っております。

十二指腸
胃の出口である幽門を過ぎると、十二指腸になります。
体の正面から見るとアルファベットのCの形をしています。
この十二指腸にはCのカーブの内側にはまる形で膵臓の頭部が密に接合しています。
その膵頭部には肝臓からの胆管と膵臓内の膵管が集まって合流しています。
これが十二指腸乳頭部を経由し開口することで、胆汁と膵液という極めて強力で重要な消化液が十二指腸内腔に流入します。
膵臓との位置関係などから、十二指腸は半ば後腹膜に含まれる臓器と言えます。
十二指腸はこうした肝臓・胆管・膵臓という他の消化器臓器と消化管の橋渡しをする重要な位置にある腸管で、このためにしばしば十二指腸以外の腫瘍性疾患、例えば膵臓や胆管の悪性腫瘍を切除する際、同時に切除の対象となる腸管でもあります。
十二指腸自体の疾患では十二指腸潰瘍の穿孔が手術の対象となる他、上で述べた十二指腸乳頭部の腫瘍も手術対象となります。

小腸
十二指腸は左上腹部で後腹膜から腹腔に立ち上がり、ここから小腸と名前が変わります。
小腸は数メートルの長さのある長い腸管で、消化された食物から栄養素を吸収する役割をもつ臓器です。
手術の対象となる小腸疾患としては小腸腫瘍が代表的です。
手術では腫瘍を含めて一定範囲の小腸と腸間膜を切除しますがこれも近年は腹腔鏡手術の対象になります。
なお、小腸腫瘍の大半はがんではない非上皮性腫瘍とよばれるもので、小腸がんはまれにしか見られません。
この他の小腸疾患としては、小腸全域と大腸の口側2/3ほどの範囲に血流を送る上腸間膜動脈という太い血管がつまって血流が途絶し、広範囲の小腸・大腸が壊死に陥ってしまう疾患が挙げられます。
上腸間膜動脈血栓症とよばれるこの疾患の発生頻度は稀ですが、非常に重篤で、救命のためには直ちに手術を行い、多くの場合は壊死した広範囲の腸管を切除する必要にせまられます。

大腸
小腸は右下腹部で大腸に移行します。
正面から見ると、大腸はお腹の四隅を巡るがごとくほぼ一回りした後に、骨盤の奥深くへ下降して肛門につながります。
大腸には口側から順に、盲腸・上行結腸・横行結腸・下行結腸・S状結腸・直腸という部位別の名称が付けられています。大腸は小腸で栄養素が吸収された食物残渣からさらに水分を吸収し、最終的に大便にして肛門からの排泄につなげる消化管の最終通路です。

大腸がん
大腸の手術の大部分は大腸がんです。大腸がんの広がり具合(進行度)は下記のとおりステージ(病期)で表されますが、ステージ別で治療方法が決まってきます。
ステージ分類
ステージ0:癌が粘膜の中にとどまっている。
ステージ1:癌が大腸の壁にとどまっている。
ステージ2:癌が大腸の壁の外まで浸潤している。
ステージ3:リンパ節転移がある。
ステージ4:遠隔転移(肝転移、肺転移、腹膜播種)がある。

大腸がんの病期分類で、ステージ0以外のステージ1〜4は基本的に手術が適応となります。
手術治療では、腸管とリンパ節を切除します。リンパ節を切除する範囲は、がんの部位と進行度を考慮して決定されます。癌の浸潤が周囲臓器に及んでいる場合は可能であればその臓器もいっしょに切除します。腸管を切除した後、残った腸管をつなぎ合わせます。直腸がんが肛門近くにあって腸管をつなぎ合わせることができない場合は人工肛門(永久式)が必要になります。肛門に近い直腸がんに対しては肛門ごと直腸を切除し永久式の人工肛門が造られる手術(いわゆる直腸切断術、マイルズ手術)が行われることが一般的ですが、当院ではのちの項で述べます肛門温存手術を積極的に導入しています。
直腸がんを含めた大腸がん手術の大多数の症例に、腹腔鏡(ふくくうきょう)手術を積極的に導入しています。腹腔鏡手術を行うことで、傷が小さいため、痛みが少なく、回復が早く、早期に退院できます。内視鏡外科技術認定医の資格を持った外科医が在籍していますので、安心して手術を受けることができます。

直腸がんに対する肛門温存手術について
肛門に近い直腸がんに対して、他の病院では肛門ごと直腸を切除し永久式の人工肛門が造られる手術(いわゆる直腸切断術、もしくはマイルズ手術)が行われることが一般的です。このような直腸がんの中で、さほど進行していない直腸がんに対して当院では肛門温存手術を積極的に導入しています。主にISR ( 括約筋間直腸切除術 )を行っています。肛門周囲の筋肉には外肛門括約筋と内肛門括約筋がありますが、ISRとは外肛門括約筋を温存し内肛門括約筋だけを切ることで、自然肛門を残す手術です。同時に直腸がんを切除しなければいけないので、肛門を残すことで直腸がんも残るような場合はこの術式の適応とはなりません。直腸がんを残さず切除し、なおかつ自然肛門を温存させるのがこの手術の特徴です。
また、当院ではISRは腹腔鏡手術で行っています。腹腔鏡を使った手術を行うことで、体の負担を少なくする効果が得られるほか、精緻な手術操作を行い外肛門括約筋の温存が的確にできるようになります。
 腹腔鏡下ISRは東北ではまだあまり行われていません。当院には東北で随一の件数をこなしている外科医が在籍しております。肛門に近い直腸がんで、「永久式の人工肛門が必要な直腸切断術をしなければいけない」と言われた患者さんで、肛門温存手術を希望される方は当院の消化器一般外科外来にいつでもご相談ください。

肝・胆・膵
肝・胆・膵はその字の如く、肝臓・胆道(胆管/胆嚢)・膵臓を一括りとした呼び名です。なぜ一括りにするかと言えば、これらの臓器が解剖学的に密接な関連を持ち、手術ではその切除や再建において分かちがたい一連の臓器として扱う必要もあるからです。この特徴は特に胆道と膵臓の間に強く見られます。

肝・胆・膵領域で手術の対象となる疾患のうち、良性疾患では胆石が最もありふれた病気です。
胆石には胆嚢内に結石が生じた胆嚢結石症と、胆管に結石の生じた総胆管結石があります。
胆嚢結石症に対する外科治療は石を含めて胆嚢を切除する胆嚢摘出術です。
この手術は原則として腹腔鏡手術ですが、結石による炎症で胆嚢周囲の組織が強い変性を来している場合には、開腹手術となります。
胆嚢摘出術は胆嚢を摘出すれば後の再建は必要ありません。

一方、総胆管結石に対する手術では通常は結石ごと胆管を切除するのではなく、胆管を切開して石のみを摘出し、胆管切開部は再び縫合閉鎖する方法をとります。
ただし、結石による炎症で胆管の変形が強い場合、あるいは過去から何度も総胆管結石を繰り返し、結石の発生に胆管自体が原因となっている可能性が強い場合などは、総胆管を切除し、小腸を肝臓から出てすぐの位置の胆管につなぐ手術を行う場合もあります。

肝・胆・膵領域で胆石以外の手術としては、腫瘍に対する手術が多くを占めます。 以下、それぞれの臓器の腫瘍に対する手術をご紹介します。


手術の対象となる肝臓腫瘍としては肝臓がんが大半を占めます。
肝臓がんは原発性肝がん(肝細胞がん、胆管細胞がん)と転移性肝がんに分類されます。
原発性肝がんは肝臓組織中の細胞から発生するがんで、多くは慢性肝炎・肝硬変をベースに肝細胞から生じる肝細胞がんです。その他、肝内にある胆管の細胞から生じた胆管細胞癌もあります。いずれに対しても、外科的治療としての手術では、がんの発生した部位に応じて肝臓の一定区域を系統的に切除する方法がとられます。
一方、転移性肝がんは他臓器のがんが肝臓へ転移をきたしたものを言います。
多くは他の消化器癌の転移です。
転移性肺がんと同様、元々のがん病巣(消化器がん)がきちんと切除されその場所に再発がないこと。
肝臓の他には転移が認められないこと。
肝転移病巣があまりに広範囲に多発していないこと。
などが切除の前提条件となります。
原発性肝がんが系統的切除の適応であるのに対して、転移性肝がんでは肝臓の区域を必ずしも意識しない非系統的な切除が行われることも少なくありません。
いずれにせよ肝臓は生命維持に不可欠の重要な代謝臓器で、しかも他の臓器での代用は効かないため切除できる量には自ずと限界があります。

特に慢性肝炎や肝硬変で肝臓の余力(予備能)が低下していると、肝切除範囲にもそれに応じた制限がかかります。従って術前の肝臓の状態を正しく評価することが安全な肝切除を行う上で不可欠です。
また、肝臓は極めて血流が豊富な臓器で、内部には肝動脈・門脈・肝静脈という三つの系統の血管が分枝し、胆管枝とともに極めて複雑な脈管の分岐・合流形態を形成しています。こうした複雑な脈管の様態には個人差も大きく、個々の患者さんごとに事前の入念な精査が欠かせません。
当科では各種の精密な画像診断に基づく肝臓の評価を行い、特殊な手術器具も整えた上での正確な肝臓切除を行っております。
幸い術後の肝不全や胆汁瘻の発生はなく、安全な肝切除を積み重ねております。


胆道は肝臓でつくられる胆汁を消化管に運ぶ管状の臓器です。
胆汁は肝実質内で細い胆管に入り、それが肝の区域ごとに肝内のより太い胆管に集められ、最終的に肝の右葉からの右肝管と左葉からの左肝管に集約されます。
これら左右の肝管は肝門部という脈管の出入り口から肝臓外に出て、そこで合流して太い総胆管となり、これが下降して膵頭部を貫き、最終的に十二指腸に流入します。
なお十二指腸流入部直前の総胆管には、膵臓でつくられる膵液を流す膵管という細い管が合流します。

こうした胆道の姿は、大きく枝を茂らせた樹木の様でもあります。
胆道に生じる腫瘍として代表的なのは胆管がんですが、胆管がんはこの大きな樹木の葉であれ枝であれ、そして幹であれ、どこにでも生じうる腫瘍です。
そしてその発生部位によって対処方法(手術方法)が大きく異なるのが特徴です。
以下に、部位別の手術法を説明します。

肝内胆管がん(胆管細胞がん)
胆道という大きな樹の、枝に当たるのが肝内胆管です。
これは基本的に肝臓の組織内に埋もれた位置にあり、それに生じたがんに対しては該当する範囲の肝臓を切除する手術となります。

肝門部胆管がん
胆道樹の枝が肝内でより太い枝へと集約され、右肝管と左肝管という2本の太い主枝となってこれが肝門部から肝臓外へと姿を現します。
そして左右の肝管はそのすぐ下で合流を遂げ、総肝管となります。
この肝門部の範囲で左右が合流する部位までの胆管にがんが生じると、肝臓の右葉あるいは左葉に加えて肝臓の背側の区域である尾状葉を切除する拡大肝葉切除や、場合によっては肝臓の右側あるいは左側の大半を切除する極めて広範囲の肝切除が必要となります。
こうした広範囲の肝切除では患者さんの肝臓が持つ余力(肝予備能)を正確に評価した上での慎重な対応が欠かせません。
当科では肝予備能に問題がない場合、こうした広範囲の肝切除でも慎重に施行し、合併症の発生もなく快癒していただいております。
一方、肝予備能に問題がある場合は、より特殊な前準備を施した上での手術が望ましいと考え、東北大学肝胆膵外科などに責任を持って紹介させていただいております。

胆管がん
肝臓からの出口の直下で左右の肝管が合流して、胆道樹のいわば幹のような総胆管となり、これが十二指腸に向け下降していきます。
この胆管は治療上の理由から上部・中部・下部と三つにわけて考えます。
上部胆管がんに対しては、基本的に肝門部胆管がんと同様の手術法を選択することが多くなります。
一方、下部胆管がんは膵臓の頭部の組織内に波及するため、総胆管のみならず膵臓頭部とそれが密着する十二指腸を全て一塊として切除する手術が必要となります。
膵臓の項でも触れますが、これを膵頭十二指腸切除といいます。
そして中部胆管がんでは腫瘍の肝臓側への広がりか十二指腸側への広がりかに応じ上部か下部の胆肝がんと同様の手術法が採られるほか、肝臓側にも十二指腸側にも双方に広がりが大きい場合、肝臓切除と膵頭十二指腸切除の両方を同時に行う必要も出てきます。

このように、胆道は胆汁を肝から腸に流下させるための単純な管状臓器なのですが、そこに発生したがんに対する手術は部位によって大きく姿を変え、極めて複雑な様態を見せます。
これはいかなる手術法であっても、肝臓でつくられる胆汁を余すことなく全て腸に流し込むための経路を確保あるいは再建する必要があるからです。


膵臓は後腹膜にある消化器臓器で内分泌機能(インスリンをはじめとする多くのホルモンを産生・分泌する)と外分泌機能(食物の脂肪やタンパク質の分解に欠かせない強力な消化酵素を含む膵液を分泌する)を併せ持つ重要な臓器です。
この膵臓に生じる疾患で、手術の対象となるのは主として腫瘍です。
膵臓にも右から左へ、頭部・体部・尾部という区分けがあります。
そのどの部位に治療対象の病巣(腫瘍)があるかによって、手術方法が変わります。

膵頭部
膵頭部に生じた悪性腫瘍を十分な範囲で切除するには、膵頭部を貫く胆管・膵頭部が密に接して胆管と膵管が開口する十二指腸をともに切除する必要があります。
これを膵頭十二指腸切除と言います。
こうした切除の後に、残った膵体尾部が分泌する膵液・胆管を流下してくる胆汁・胃から流出する胃内容の、それぞれの通過経路を再建する必要があります。
これは複雑な再建経路となり、それに伴う合併症も、後述する通り、管理を誤れば致死的な状況に陥る可能性があります。
慎重で丁寧な手術と的確な術後管理が欠かせない所以です。
当科では正確な手術操作と厳重な管理を行うことで、重篤な合併症の発生を防いでいます。

膵体部・尾部
膵の体部あるいは尾部は解剖学的には他の消化器臓器との直接的関連はないため、腫瘍を含む膵体尾部の組織を切除すれば、原則として複雑な再建は必要ありません。
その意味では頭部の腫瘍に対する手術よりもいくらか単純ではあります。
ただし、所属リンパ節を一緒に切除するにあたり、膵尾部に接する位置にある脾臓をともに切除する必要がある場合もあります。
脾臓は生命維持に不可欠の臓器という訳ではありません。
膵疾患の他、胃がんに対する手術でも合併して切除される場合があります。
ただし脾臓が失われると、感染症に対する抵抗力が衰える可能性があります。
そのため脾臓を摘出した場合には、肺炎球菌ワクチンの接種をお勧めすることがあります。

膵臓切除の手術で最大の問題は、切離面から膵液が漏出する現象です。
前記の通り、膵液は極めて強力な消化酵素であり、これが膵の切離面や膵と腸管との吻合部から腹腔内に漏れ出し活性化されると、自分の組織に対する自己消化とも言える状況が発生します。
膵液に暴露された組織は液状に溶け、膿瘍と呼ばれる膿のかたまりとなって強い炎症をきたし、敗血症を惹起します。
また付近の血管、特に動脈の壁が溶ければ脆弱となって動脈瘤が形成され、これが破裂すれば腹腔に大出血が始まります。
膵臓手術の術後においてはこのような漏出膵液をできるだけ体内に貯留させず、体外に誘導・排出することが最も重要となります。
これをドレナージと呼びますが、具体的には膵の切離面あるいは膵腸管吻合部の近傍に複数本のチューブを留置して、漏出膵液の体外への誘導を行うのです。

当科では慎重な手術操作により膵液の漏出を防ぐとともに、術後の綿密な観察と的確な管理により、膵液漏出に伴うこうした重篤な合併症の発生を低下させています。

主な診療内容
ヘルニアの治療に際しては、それぞれのヘルニアに適した修復用の人工膜(メッシュ、パッチ)が開発されており、それらを用いてヘルニア門(臓器が脱出する穴)をふさぐ手術を行います。
子供の鼠径ヘルニアは一泊二日で手術しています。麻酔科医の協力の下、手術当日入院で手術し、翌日退院です。なお子供の場合には人工膜は使用しません。
ヘルニア外来を開設しました。上記のような症状がありましたら、何なりとご相談ください。
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診療実績

診療実績 平成27年 手術実績
総手術件数:427件
診療実績
疾患名 件数 備考
甲状腺悪性腫瘍手術 15
甲状腺腫摘出術 4
バセドウ甲状腺手術 8
甲状腺部分切除術 10 結節性甲状腺腫8件、
甲状腺悪性リンパ腫1件、
甲状腺濾胞癌1件を含む
副甲状腺(上皮小体)腺腫過形成手術(摘出術) 4
頸嚢摘出術(側頚のう胞) 1
肺悪性腫瘍手術(部分切除) 5 (腹腔鏡下4件)
胸腔鏡下肺切除術(自然気胸) 2
下肢静脈瘤手術(抜去切除術) 2
リンパ節摘出術 4 悪性リンパ腫2件、
腋窩リンパ節転移1件、
頸部リンパ節転移1件
食道悪性腫瘍手術 2 (胸腔鏡下1件)
食道切除再建術(食道狭窄) 1
胃切除術(悪性腫瘍) 11 (腹腔鏡下4件)
胃全摘術(悪性腫瘍) 5
腹腔鏡下胆嚢摘出術 84
胆嚢摘出術 21 他手術との併施を含む
胆嚢悪性腫瘍手術(胆嚢に限局する) 1
胆嚢悪性腫瘍手術(肝切除(亜区域切除以上)を伴うもの) 1
膵頭部腫瘍切除術(周辺臓器の合併を伴う) 1
膵頭部腫瘍切除術(リンパ節・神経叢郭清等を伴う 1
総胆管胃(腸)吻合術 2 膵臓癌患者に対して施行したもの
肝切除術(部分切除) 1 肝細胞癌6件、
転移性肝腫瘍1件、
肝血管腫1件
肝切除術(亜区域切除) 4
肝切除術(外側区域切除) 1
肝切除術(1区域切除(外側区域切除を除く)) 3
結腸悪性腫瘍切除術 22 (腹腔鏡下15件)
結腸切除術(小範囲切除) 1
結腸切除術(全切除) 1
腹腔鏡下結腸切除術(小範囲切除、結腸半側切除) 1
直腸切除術 7 (腹腔鏡下4件)
直腸切断術 2
直腸低位前方切除術 6
虫垂切除術 23 (腹腔鏡下12件)
腸管癒着症手術(イレウス) 2
小腸切除術(悪性腫瘍手術以外の切除術) 3 内訳:非閉塞性腸間膜虚血、
小腸脂肪腫(イレウス)、
癒着性イレウス
腸吻合術 1 イレウスあり、
人工肛門造設と併施
急性汎発性腹膜炎手術 1 S状結腸癌に対する
横行結腸ストーマ造設+ドレナージ
肛門周辺膿瘍切開術・肛門ポリープ切除 2
人工肛門造設術 3
人工肛門閉鎖術(腸管切除を伴う) 1
ヘルニア手術(臍ヘルニア) 2
ヘルニア手術(腹壁瘢痕ヘルニア) 4 (腹腔鏡下2件)
ヘルニア手術(鼠径ヘルニア) 88 うち小児鼠径ヘルニア2件
ヘルニア手術(半月状線ヘルニア) 1
ヘルニア手術(大腿ヘルニア) 2
腹壁腫瘍摘出術 1
尿膜管摘出術 3
試験開腹術 2 (腹腔鏡1件)
皮下腫瘍摘出術 5
軟部腫瘍摘出術(躯幹) 3
創傷処理 15 創縫合、CVポート抜去など
皮膚切開(切開排膿) 10 アテローム7件、
尿膜管膿瘍1件、
指異物残留1件、
膝部蜂巣炎1件
気管切開術 2
抗悪性腫瘍剤静脈内持続注入用植込型カテーテル設置(頭頸部その他) 16
中心静脈注射用植込型カテーテル設置(頭頸部その他) 3
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